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原作もオススメ『ザ・ゴールドフィンチ』

同名小説が原作の映画で、YouTubeチャンネル『文学賞メッタ斬り』で豊崎由美さんが原作を紹介してました。『ザ・ゴールドフィンチ』は各種動画配信サービスでレンタルできます。

あらすじ

主人公テオは少年時代に母親と美術館で爆破テロにあう。母親を亡くし一命をとりとめたテオは友人の家で楽しく暮らしていた。一家として迎えられそうなところだったテオに、別れた父親が現れ人生が翻弄されていく。

この映画の重要な役割をはたすのは名画カレル・ファブリティウス作『ごしきひわ』。母親と一緒にいた美術館にあったものだ。実在するこの名画を巡りテオの物語が進んでいく。

映画では青年のテオと少年のテオの両方のパートが描かれている。突然の不幸が襲った少年テオ、その後成長した青年テオに起きた試練。テオは救われるのか?『ごしきひわ』はテオの人生にどうかかわるのか?というミステリ仕立ての物語になっている。

原作の小説も読もう

原作はドナ・タート『ゴールドフィンチ』。ピューリッツァー賞受賞の名作だ。文庫で4巻あるので、2時間ほどの映画には描ききれなかったのかな?とも思ったり。テオの苦悩はよく描けていた。ただ、もう少し欲をいえば、テオのまわりの登場人物についても掘り下げて欲しかった。なぜなら、少年時代のテオと関わりを持った人物が、青年時代のテオと再会すると「なぜそこまで変わった?」と思っても、その理由を語られず物語が進んでいくからだ。そういうわけで、映像化にあたっては主人公テオとまわりの人たちを群像ドラマっぽくしたほうが良かったなというのが私の感想だ。そして、原作も読んだほうがいいでしょう。

出演者など

青年テオ演じるアンセル・エルゴートスピルバーグ版の『ウエストサイドストーリー』の主人公役。テオの友人ボリスの子ども時代は『ストレンジャーシングス』や『ゴーストバスターズ/アフターライフ』のフィン・ウルフハードなどの若手俳優と、ニコール・キッドマンジェフリー・ライトといった豪華なキャストなのでそのあたりも見どころのひとつ。