どんな仕事をしていても必ず一度は経験するクレーム。こちらが正しいと言いだしたら、さらにヒートアップして、揚げ足をとるように、クレームが次々でてくる。こんな場面に遭遇したこと、いや、経験したことあります?この本を読むと、クレームのおさめ方のみならず、コミュニケーションにおいての「怒り」の収め方が学べますよ!
この本は、接客業で仕事をしていて、ときおり起きるクレーム対応に悩んでいたり、ビクビクしている方はぜひ読んで欲しいのです。さらに、友人、家族、仕事仲間との会話、さらにはSNS上でのコミュニケーションでの、突然の怒りや炎上に応用できるテクニックも豊富だと思います。加えて、もっと円滑にコミュニケーションができたらなと思っている人にもオススメです。
まず、著者はクレーム・コンサルタントの谷厚志 氏。数々のクレームに対応してきた結果、何度もサービスを利用するお得意様(ロイヤルカスタマーと呼ぶらしい)は、かつてクレームをあげたお客だったということ、腹が立つほどのクレームにしっかり対応し、その結果、好印象を与え何度も利用してくれて、さらにそのロイヤルカスタマーは知人友人へと紹介してくれるという、会社にとって「金の卵」になってくれる存在であること。この本では、ロイヤルカスタマーに遭遇するためのクレーム対応を著者の経験を具体的に披露し、そのテクニックを教えてくれる実践本です。
テクニックを学ぶ実践的な本だけども、サービスや商品を提供することを介して、パーソナルな関係が最も大事であることを著者は訴えています。
クレーム対応について具体的な方法は5つのステップであると著者は言っています。とりわけ初期のステップであるクレームに対しての「限定的な謝罪」➜「傾聴」で80%解決するとのことです。とくに重要なのが「限定的な謝罪」だそうです。例えば電話でクレームが来た場合どのように対応するかというと、こう書いています。
❝「せっかくお電話をいただきましたのに、ご満足いただけなくて申し訳ありません。あらためましてどのようなことがございましたでしょうか」と、この鉄板トークを使うと「じつはですねぇ」とお客様はびっくりするほど柔軟に対応してくださいます。❞
「ホントかよ」と思いますが、これはけっこう効きます。私も実践して経験的に効果があると感じていますから(笑)。限定謝罪がミソですよね。「ご不便をかけて〜」「ご満足いただけなくて〜」「ご期待にこたえられず〜」みたいに、冒頭でとりあえず謝罪すること。これは、あなたの怒っている感情や不快な感情を引き起こしたことについて申し訳ないと「限定的」に謝る。全面的に謝罪すると、有る事無い事こちらが悪くなりますからあとあと良くないですよね。(この「限定謝罪」は友人関係や家族の間でもわりと使えます)さらに、相手から限定謝罪されると、そのテクニックを知っていたのにもかかわらず、相手を許すことができるので不思議です。
その次に行うのが「傾聴」。「じつはですねぇ」と相手が、すこし冷静に話をはじめたら、「そうだったのですね」「そのようなことがあったのですね」「その気持ちよくわかります」と相づちをするのです。これは傾聴なんだけど、相手にしたら共感してもらってると思う言葉なんですよね。
❝クレームをあげてくれるお客様には、言葉で話していることと、本来の希望・要望が違っているという方がとても多くいらっしゃいます。クレームの根底には、心の問題ともいえる深い部分での問題が少ならかずあるからです。そのため、クレーム対応では「申し訳ございません」となんべんも謝るよりも、1回の共感の言葉を投げかけるほうが、はるかにお客様の感情をやわらげることができます❞
人って共感してほしい動物です。「わかるー」とか言ってもらいたいし、「いいね」をクリックしてほしいんですよ。だから共感してもらったら、なんだか、理解してもらった気になる。そうすると、「あ、なんだこの人、話がわかるじゃない」みたいな想いになるんだと思います。 著者はこの「限定付きの謝罪」「傾聴(共感)」の2つのステップまでできると、クレームの80%解決すると言っています。残りの3ステップは実際に本を手に取って確認してみてください。そして、その他にも良いテクニック学べますよ。
そもそも、この本を手に取ってみた理由は、仕事をする上で誰しも1度はふりかかるクレームにてついてなんとかならないかな?と思っていたからです。誰もが嫌なことなんですが、逃げずに向かっていき、なおかつ、皆がハッピーになれる方法がわかればなー探していたら見つけた本です。小難しい「傾聴」や「共感」に関連する本よりもよっぽど実践的な本でわかりやすい。すぐ読み終わりますしオススメです。明日からの接客も自信が持てますよ。