一蹴 本とか映画とかドラマとか

本、映画、ドラマをとりとめなく語るブログ

心が洗われるドラマ Apple TV+『テッド・ラッソ破天荒コーチがゆく』

NetflixやAmazonPrimeビデオの殺伐としたグロいシーンを当たり前に感じていたせいかApple TV+のドラマ『テッド・ラッソ破天荒コーチがゆく』はいままでの身体の毒素を洗いながし、清々しい気分にしてくれるドラマでした。

このドラマは、アメリカでアマチュアアメリカンフットボールのヘッドコーチをしていた主人公テッド・ラッソが、突如イギリスに渡りイングランドプレミアリーグの監督に就任するところからスタートします。

テッド・ラッソはアメフトではチームを下部リーグから昇格させた程度の実績がありますが、サッカーではコーチの経験はありません。毎年下位に沈むとはいえプレミアリーグのトップチームの監督に就任する理由はなんなのか?

このテッド・ラッソが就任したサッカークラブのオーナー、レベッカは、離婚した元旦那のクラブを譲渡され運営している。レベッカは元旦那の好きなチームをめちゃくちゃにしたいため、アメフトコーチ(アマチュア)の主人公テッド・ラッソを招聘してチームの評判を落とさせ、ボロクソに負けさせようとしている。

この時点で、視聴者はテッド・ラッソがどのようにチームを監督し、オーナーや選手やサポーターやマスコミなどと、どのように立ち振る舞うのか?という期待がうまれてきますね。

テッド・ラッソが相手する面倒な人々は、嫌がらせをするオーナー、強いチームからレンタルしている扱いずらいスター選手、クラブで唯一チャンピオンズリーグ優勝を経験している口が悪いキャプテン、アメリカに残してきた結婚生活がうまくいっていない妻、常に「へたれ」と罵るサポーター、などなど。

しかし、テッド・ラッソは持ち前の前向きな性格と相手への気遣いで、面倒な相手にうまく立ち回っていく。しまいにはテッド・ラッソに敬意を抱くまでになる。(これはちょっとネタバレか?)

このドラマを観ていて「好意の返報性」という言葉が頭をよぎります。何か自分のためにしてくれたなら、相手に何かお返ししないと!ということ。このドラマではそれを思い出してくれる心が洗われる良いシーンがいくつかあります。

さらに「非を認める」「感謝する」「信じる」「前進する」といる前向きなシーンがいくつか出てくるんですが、これはいいですね。悪いことは認めて謝るというシーンや自分や相手を信じるなどのシーンは、最近のドラマには少ない気がしてました。少年ジャンプではよく見かけますけどね!

海外のドラマでは「非を認める」シーンが少ない理由は、謝ると訴訟に発展したりするのか?プライドが傷つくのか?だからドラマにすくないのか?などと勘ぐりながら見ておりました。 一方、このドラマではきちんと「謝罪することの意味」を伝えているので、こういうのは子供にも見せたいですね。ただし、言葉使いが良くないシーンもあるので、ある程度の年齢が必要かなと思います。

登場人物は良い人が多くて、シーズン1で死んだ人は誰もいません!(笑) ハートフルコメディのためか、1話ずつきちんとオチがつくし、シーズン通してのオチも最終話できちんとつけてくれます。次のシーズンも楽しみなので、それまで良くないカルマをためて、シーズン2で洗い流してもらおう。さ、AmazonPrimeで『ザ・ボーイズ』シーズン2でも観て悪しきカルマをためるかな…。