はじめに
Netflixで11月から配信されるドラマ『イクサガミ』。原作が今年8月に完結したことを知り、配信が始まる前に読んでおこうと思い立った。
原作は全4巻構成で、ちょうどKindle Unlimitedに1巻目の『天』があったので読み始めたところ、読了後すぐに配信から消えてしまった。
2巻以降も読むか迷っていたが、あまりの面白さに結局全巻読破してしまいそうだ。

『イクサガミ』のあらすじ
物語の舞台は明治11年(1878年)。京都の天龍寺に「武術に優れた者に金十万円を与える」という記事が出回る。
これをきっかけに、腕に覚えのある剣客や武闘家など292人が集められた。
彼らに主催者から告げられたのは、命をかけたデスゲーム「蠱毒(こどく)」。
ルールは「東海道を通り東京へ向かい、木札(1枚=1点)を奪い合え」というもの。七つの掟が定められ、壮絶なサバイバルが始まる。
主人公は、コレラで妻子が病に伏せ、大金を得るために参加した剣客の嵯峨愁二郎(さが しゅうじろう)。京八流という剣術を会得した凄腕の男だ。
そしてもう一人、12歳の少女・香月双葉(かつき ふたば)も、母を救うためにゲームに参加する。
愁二郎は双葉を守りながら東海道を進むが、次々と強敵が立ちはだかる。
なぜ面白い?『イクサガミ』
本作の大きな魅力は、**「時代背景とデスゲームの融合」**だ。
明治時代に入って間もない頃、庶民の生活は江戸時代と大きく変わらない。
そして、廃刀令が出され、武士階級が解体されていく時代に、参加者たちは再び刀を手に命の奪い合いを始める。
『バトル・ロワイアル』や『ハンガー・ゲーム』といったデスゲーム作品が好きな人なら、間違いなく楽しめるだろう。
主人公をはじめ、参加者たちがデスゲームに身を投じた理由も、この時代だからこそ説得力がある。
戊辰戦争や薩長同盟など、幕末から明治維新にかけての激動の時代に翻弄された猛者たちが、それぞれの事情を抱えて参加するのだ。
主人公・愁二郎はコレラに冒された妻子を救うために参加するが、同じ境遇の少女・双葉を守りながら戦うため、常に不利な状況に置かれる。
強者でありながらも制約があるため、他の参加者と共闘したり、同盟を組んだりする必要があり、戦略的な駆け引きが物語をさらに面白くしている。
わたしが最近読み耽っていたラノベにあるような単純な「俺TUEEE(俺強い)」系ではなく、頭脳と剣術を駆使した戦いが繰り広げられる。
また、愁二郎の剣術流派における門弟争いも絡んでくるなど、ありきたりなデスゲームとは一線を画している点がたまらない。
余談
個人的な話だが、1巻目の『天』でアイヌの男、カムイコチャが登場するあたりから、ゲーム『Ghost of Tsushima』のプロモーション映像が脳内で再生され始めた。
これは、好きなものが脳内でリンクする現象で、本を読んでいると度々起こる。同じような体験をする人はいるのかわたしだけ?
