一蹴 本とか映画とかドラマとか

本、映画、ドラマをとりとめなく語るブログ

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

つらくなったら全力で逃げる『地下鉄道』

小説を楽しむ方法はいくつかある。物語の構成や描写を楽しんだり、主人公の視点から、物語の中で同じ体験を味わうのもそのひとつ。『地下鉄道』はアメリカの大規模農園の奴隷として使役されていた黒人の視点からその当時の世界を味わえる物語である。 主人公…

自由意思を扱ったSFを読んだらデネットの『自由の余地』を読むと良いよという話

テッド・チャンの作品に『予期される未来』という短編SFがある(同著『息吹』に収録)。この物語は予言機という機械があって、ボタンを押すとLEDのライトが光る。正確に言うと、押す一秒前にライトが光る。つまり、どんなに早くボタンを押そうとしても、ライ…