一蹴 本とか映画とかドラマとか

本、映画、ドラマをとりとめなく語るブログ

2020-01-01から1年間の記事一覧

『独学大全』を読んで実践していること。

はじめに 学生時代はあまり勉強しなかった人が、30代後半あたりから、突然と勉強したくなる衝動にかられることがこの世の中に一定数いるんじゃないのか?と、その中のサンプル数のうちの1人であろう私がいつも思っていることである。 その私は、なにぶん子供…

今年一のドラマNetflix『クイーンズ・ギャンビット』は観たほうがいいよ

今年のドラマランキングがあるとしたら、このドラマが1位確定でよいのではないか?IMDb の評価は8.8、ロッテントマトの評価のトマトメーターは100%(どちらも現時点で)と堂々の高評価ドラマであるNetflixのリミッテッドシリーズ『クイーンズ・ギャンビット…

宇宙へ進出する飛行士の物語『宇宙へ』

事前情報はまったくなしで、この本を手にとり読んでみた。てっきり、宇宙へ(外宇宙へ)でかけていって、異星人とコンタクトして(『三体』みたいに?)対峙したときに共存するのか、闘うのかみたいなSFと思い込んでいたのだが、まったく異なるものですごく…

観終わって鳥肌がたった映画『TENET』

映画が観終わりスタッフロールが流れるほんのコンマ数秒に鳥肌が立つという経験は多くはない。ことさらこの時期に映画館に向かわないのでそのような体験もしずらい。 しかし、『TENET』はそれをくつがえしてくれた映画である。 ネタバレをしたくないので、と…

心が洗われるドラマ Apple TV+『テッド・ラッソ破天荒コーチがゆく』

NetflixやAmazonPrimeビデオの殺伐としたグロいシーンを当たり前に感じていたせいかApple TV+のドラマ『テッド・ラッソ破天荒コーチがゆく』はいままでの身体の毒素を洗いながし、清々しい気分にしてくれるドラマでした。 このドラマは、アメリカでアマチュ…

環境問題系SF?『第六ポンプ』

パオロ・バチガルピ。なんとなく口ずさみたくなる名前パオロ・バチガルピ。 このSF短編作品の作者の名前である。 バチガルピは環境系の専門誌の編集者をしていたそうだが、この短編のいくつかはそのようなバックグラウンドの匂いがする。つまり環境汚染や資…

SF好きはみんな読んでる『三体Ⅱ黒暗森林』毎週金曜日が楽しみ『怪獣8号』

三体Ⅱ 昨年にSF小説『三体』が発売され、わたしはTwitterに「ハードSFではないから読みやすいよ」みたいなツイートをした記憶があります。ですが、今作『三体Ⅱ 黒暗森林』はみごとにハードSFです。宇宙物理学や量子学を使った表現がちらほら出てくるので、詳…

都市が主役のSF『都市と都市』

『都市と都市』はチャイナ・ミエヴイルが数々の賞を受賞したSF小説。SF好きからしたらSFか?という議論になるだろうし、ミステリ好きからしたら少し物足りないバディ警察ものと思うかもしれない。わたしは読後に奇妙なSF(わたしはSFとしてます)という感想…

Apple TV+『ビースティ・ボーイズ・ストーリー』雑感

Apple TV+でビースティ・ボーイズのドキュメンタリーやってるなと思って再生したら、マイクDとアドロックが自ら語るスタンドアップコメディースタイルのドキュメンタリーだった! と、思って調べたら、2019年4月 ニューヨーク ブルックリン キングスシアター…

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』と『ザリガニの鳴くところ』の2冊

最近読んだ2冊の小説。 どちらも結末が最後に「そうくるか!」というのが感想です。 物語の構成はどちらも凝っていて最後に伏線を回収していきます。物語の描写は『medium霊媒探偵城塚翡翠 』の方は多重なトリックだったり、登場人物の言動や行動がよく描か…

『疫病と世界史』と『国家はなぜ衰退するのか』を読んでポストコロナ渦の未来を想像してみた。(後編)

一方『国家はなぜ衰退するのか?』では、古今東西さまざまの国家の衰亡について説明し、ある共通点を教えてくれている本。 たとえば衰亡していった国の例として、いくつかの古代帝国やソ連、そして現在進行形ではソマリアなどがあげられている。 本書を読む…

『疫病と世界史』と『国家はなぜ衰退するのか』を読んでポストコロナ渦の未来を想像してみた。(前編)

西暦2020年という年は人類の歴史において忘れられない年になった。 大人たちは仕事を在宅からのリモートワークをしいられ、子供たちは学校に行けず家で課題をこなす。エッセンシャルな職種の人間は感染の危険を感じながら出勤し、保育園に預けた子供はいつも…

Netflix『オスマン帝国:皇帝たちの夜明け』雑感

我が家のNetflixのレコメンドにはSFとファンタジーとドキュメンタリーに偏りすぎで歴史物がオススメされてきません(泣) そのため、表題のNetflixドラマを知ったのはTwitterのタイムラインだった気がします。 このドラマは『オスマン帝国〜』と題するが、オ…

『LIFE3.0』を読むとシンギュラリティも近い気がする

仕事の関係でとある外部の講習会に出て、一般社団法人のお偉いさんに言われたことが「君たちの仕事はいずれAIに取って代わられる」である。おそらく色々な職種の勉強会等で、このようなお言葉をAIのこともさっぱり分からないお偉いさん達が言ってるんだろう…

本が読める幸せを感じる『戦場の秘密図書館〜シリアに残された希望〜』

土曜日の午後に仕事が半日で終わるときは、帰宅後に散歩しながら娘と近所にある区民センター内の図書室にむかうことがある。 私はネットで予約していた本を受け取りに、娘は学校の図書室にはない本を選びに。それが土曜の午後の楽しみのひとつでもある。 今…

『密林の語り部』ラテンアメリカ文学の入門にオススメ?

ラテンアメリカ文学を読みたくて、片っ端から読みたい本リストに放り込んでいたのを思い出して読み耽ってた。 ユダヤ人のサウル・スラータスは大学で民族を専攻していた。サウルは密林に住む原住民を守る活動をしていくうちに自分が部族と同化していき、自ら…

Apple TV+『SEE〜暗闇の世界〜』シーズン1雑感

『ゲーム・オブ・スローンズ』や『アクアマン』のジェイソン・モモアが主演なら観なくてわ!と思い『Apple TV 4K』をアップルの年始セールで購入し、さっそく『AppleTV+』にサブスクリプションし、真っ先に4K画質で堪能したドラマ『SEE〜暗闇の世界〜』。…

Netflix『ウィッチャー』シーズン1 ネタバレ感想

Netflixへの視聴理由のひとつが、『ウィッチャー』のドラマ化というウィッチャーのゲームファンもいるのかもしれない。 ゲームも小説もドラマもあって、さらにウィッチャーてそもそもなんですか?という人はまずこのドラマをワンシーズン観ることをオススメ…

やっと新刊が出たよ。テッド・チャン『息吹』の感想

発売前から読みたいという作家はほとんどいない。たいていはSNSやアマゾンのお知らせで「あーこの本出ていたんだ。読もうか」くらいの程度で読む。ただし、テッド・チャンだけは別でまだ次がでないかと待ち望んでいた。前回の短編集『あなたの人生の物語』か…

SF的な哲学本『答えのない世界に立ち向かう哲学講座』

「哲学」と聞くと難しいイメージが浮かぶのだろうか? 個人的には、飲茶氏の著書『史上最強の哲学入門』『14歳からの哲学入門』等を読んだおかげで哲学系の本にも触手を伸ばすことができるようになった。そのおかげもあって積読本のマイケル・サンデルやジョ…