一蹴 本とか映画とかドラマとか

本、映画、ドラマをとりとめなく語るブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

人が物語に騙されないために読む本『ストーリーが世界を滅ぼす』

2022年の夏ヨーロッパを熱波が襲った。その熱波の数日前、イギリスのモーニングショーの天気予報のコーナーで気象予報士が40度以上の熱波で多くの人が死亡する可能性があると警笛をならした。しかし、司会の女性は取り合わず「この天気を楽しんでいたいだけ…

ハロウィンの夜にオススメのマーベルドラマ『ウェアウルフ•バイ•ナイト』

Disney+にて配信されている『ウェアウルフ•バイ•ナイト』はマーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーションという位置づけの単発のドラマである。MCU(マーベル•シネマティック•ユニバース)初のR15指定。 あらすじ 豪邸に集められたハンター達。亡きリ…

アメリカ労働者の暗部も見せてくれるドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』

今年の海外ドラマは良作が多い。その中でも物語の構成と展開がすばらしかったり、人間ドラマを魅せてくれるドラマはやはり面白い。Disney+で配信されているドラマ『一流シェフのファミリーレストラン(原題 The bear )』もそのひとつに加えてもよいドラマ…

地政学本の入門としていかが?『恐怖の地政学』

ニュースを見ていると、なぜロシアはウクライナに侵攻したいの?と漠然とした感じでネット検索してしまう。結果として理由が次々とでてくるのだか、まずそれは横に置いといて、地政学的にどうなんだ?と思ったのなら大規模な書店に行くとよい。平積みのコー…

アンディ•ウィアー『アルテミス』も読んでおこう

現在SF小説で大ヒットしているのは『プロジェクト•ヘイル•メアリー』。アンディ•ウィアーの長編小説第3作である。ライアン•ゴスリングが主演で映画化も決定している。 もし『プロジェクト•ヘイル•メアリー』をアンディ•ウィアー作品として初めて読んだのな…

シーズン2が待ちどおしい AppleTV +ドラマ『セヴェランス』

いままで観たことのないようなドラマを教えてほしいと聞かれたら真っ先に教えたいドラマはApple TV+の『セヴェランス』。仕事とプライベートの記憶を「分離」しルーモン産業という会社に勤める人たちを描いたスリラードラマだ。不思議な魅力のあるスリラー…

『オスマン帝国-繁栄と衰亡の600年史』で600年の歴史と世界史を同時に学ぶ

歴史の堅苦しい本は飽きるし、項数多くて分厚いし、硬い文体で眠ぬて読めなくなる本が多いので、新書で読みやすい『オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史』(以下『オスマン帝国』)を手にとってみました。 この『オスマン帝国』は600年余りのオスマン帝国の通…

天才ピアニスト ファジル•サイの最新アルバムが素晴らしい

天才ピアニスト ファジル•サイの最新アルバム『Say Plays Say3』が昨年10月に配信リリースされた。 楽器はピアノひとつ。それとわずかに聞こえるファジル•サイの息遣いでこのアルバムは形作られている。 ピアノひとつでこんなに表現できるのかという驚きを与…

Netflixドラマ『真夜中のミサ』はホラーが苦手でも楽しめるホラー作品

ホラー作品が苦手だけど、気になるホラードラマや映画ってのがよくある。Netflixリミテッドシリーズのホラードラマ『真夜中のミサ』もそのひとつ。わたしの場合コジプロの小島秀夫監督が絶賛していたツイートを見かけてから、気になりはじめて、観るか迷って…

原作もオススメ『ザ・ゴールドフィンチ』

同名小説が原作の映画で、YouTubeチャンネル『文学賞メッタ斬り』で豊崎由美さんが原作を紹介してました。『ザ・ゴールドフィンチ』は各種動画配信サービスでレンタルできます。 あらすじ 主人公テオは少年時代に母親と美術館で爆破テロにあう。母親を亡くし…

SFでミステリで『書架の探偵』

ジーン•ウルフの作品を何か読みたいんだか何がいいの?と聞いてみたら、誰かが『デス博士の島その他の物語 』をオススメしてきた。タイトルとカバーとレビューを見ただけで遠慮してしまって、もうちょっと軽めの作品をと希望した回答が『書架の探偵』だった…