2021年4月から放映されたアニメ『オッドタクシー』は、我が家のAmazon primeのダッシュボードを起動するたびにプッシュされていた。しょうがないと思い第1話を観たら面白くてイッキ見してしまった。 登場キャラクターがかわいい感じの動物たちの風貌とは裏腹にストーリーとプロットが海外ドラマ風のミステリードラマだった。最終話は納得したオチがつくので観賞後もスッキリする。最後のシーンは後日譚もありそうな匂いをさせるところもよかった。
主人公の小戸川(セイウチ)は東京ぽい街でタクシー運転手をしている。 失踪したアイドルデビュー前の女子高生が最後に乗ったタクシーの運転手で、さらに一人暮らしの家で誰かと会話しているという情報があり、女子高生失踪事件に関与している噂がある。
物語の本筋はこの女子高生失踪事件というミステリがある。しかし、主要登場キャラたちはこのミステリを解決するわけではない。登場キャラたちのそれぞれの目的と背景を描き、その人物(動物?)たちの物語が語られる。
登場する主要キャラは小戸川のタクシーに乗車する。タクシーの乗客たち:バズりたい青年(カバ)、指名手配のチンピラ(ヒヒ)、アイドル好きのキャバクラボーイ(スカンク)、知名度は高くないお笑いコンビ(イノシシ、ウマ)、CD発売を控えたアイドルとマネージャー(ネコ、キツネ)など。このアニメは彼らの群像劇になっいる。さらに、それぞれがソーシャルメディア、推しアイドル、課金ゲーム、パパ活など、現代社会の暗部を取り上げる内容になってそれがまた面白い。
主人公がみずから大筋の謎を解明するミステリドラマではなく、毎話に登場人物たちが抱える思惑と目的をもとに行動していくところを観ている者にちらつかせ、小さい謎を小出しにして引き込ませていき、最後の最後に大筋の謎が解明するドラマは、どことなく海外ドラマぽい。さらにキャラクターのデザインのギャップで、印象深く頭にイメージが残る。最終話の「なぜ動物なのか?」のオチも納得できて良かった。OPの曲や劇中の音楽も凄く良い。