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本、映画、ドラマをとりとめなく語るブログ

12分間の短編映画を観たあと、頭と心に何かを残す『愛してるって言っておくね』

新学期がはじまり、我が子が新小学一年生として新しい生活がはじまった。親として気がかりなのは、登校時に事故に遭わないか?とか不審者に声をかけられても逃げてくることができるだろうか?など。小学四年生の長女に連れだっていてもやや不安。この時期の小学校に入る親御さんの気持ちはだいたい同じなのかもしれない。

Netflixの短編アニメーション映画『愛してるって言っておくね』を観ると、アメリカの学校に通わせている親の不安が日本のそれよりも別次元にあるのかもしれないと感じた。

アメリカの映画やドラマでは、よく子供を車で学校を送迎する描写がある。登校中に危険に遭う確率が日本と違うので、しかたがないのだろうと思って観ていた。さらに、アメリカでは登校してからもスクールシューティング(銃乱射事件)というリスクが潜んでいる。

March 2020 was the first March without a school shooting in the U.S. since 2002 - CBS NewsMarch 2020 was the first March without a school shooting in the U.S. since 2002 - CBS News

このような記事を読むと、アメリカではどこでもスクールシューティングの危険にさらされていて、そこに子供を通わせる親の気持ちは、そのような危険がほぼゼロである日本に住んでいる者からしたら想像することさえできない。

この短編アニメーション映画はスクールシューティングがあった後の両親を描いている。子供を突然失う両親のやるせなさ、喪失感、辛さを描いており、さらにアメリカ社会の暗部を掘り下げている。10分程度の作品なのに、観たあとに頭と心に残す余韻がかなり続いてしまう。重たいが観ておきたい作品。2021年アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート作品。(配信元Netflix)

以下の事件を参考にしたのかもしれないという記事も上げておく。 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9534.php「愛してると伝えて」米フロリダの銃乱射の教室で何が起こったのか|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト