一蹴 本とか映画とかドラマとか

本、映画、ドラマをとりとめなく語るブログ

『独学大全』を読んで実践していること。

はじめに

学生時代はあまり勉強しなかった人が、30代後半あたりから、突然と勉強したくなる衝動にかられることがこの世の中に一定数いるんじゃないのか?と、その中のサンプル数のうちの1人であろう私がいつも思っていることである。

その私は、なにぶん子供のころから勉強なんぞ嫌いで、ゲームと映画くらいしか興味がなかった人間のため1人で勉強できるわけもあらず。

そのため、大人になってから学びたいという衝動にかられても、独学系のビジネス書に無駄に手を出してしまい挫折し、勉強好き芸人のYou Tubeを見て、まったく中身ないことに絶望していた。それでも「勉強しないとな!」とやる気を起こして、まずは勉強方法について考えてみるが、頭の中で霞がかかるため、「やっぱ勉強てめんどくせ」と負の感情スパイラルに入っていたところに、この本に巡り会った。いや、著者の読書猿のファンであるので、正確に述べると待ち望んでいた一冊だったわけである。

およそ700ページくらいあるこの本は、その分厚さから、人を手にかけることができそうなので、ネット上では鈍器として伝えられている。ここでは、その分厚い内容からいくつか抜粋して、わたしが実践していることを中心にまとめてみた。

本は通読しなくていい

この本を読んで救われたことは、本というものは最初から最後までひととおり読まなくてよいということを改めて教わった。

本というものは、なぜか「読了しないといけない」という病にかかっている人がわたしを含めてすごく多いのではないか。たしかに買った本を読みきらないともったいない気がするので、なんとか読了しないといけない気になってしまう。

しかし、この本で紹介されているいくつかの読書方法を実践すると「元をとらないと!」みたいな私みたいな貧乏癖のような読書からは抜け出せる。

その方法は、本書のなかで紹介されている『問読』を使う。この方法は読んでいる本の中で、自分の問いを作り(または見つけて)、その問いの答えを本の中で探していき、問いに関係のないものは読み飛ばしていくというもの。

私は本の中で説明が冗長している箇所も大事だと思い込んでいたので、漏らさず通読していたのですが、自分の問いとは関係がなく冗長している箇所もあっさり読み飛ばすようになった。

さらに、問いの答えが書かれている箇所を抽出していき、それをスプレッドシートにひたすらまとめるようになった。時折そのスプレッドシートを眺めると記憶の定着にもつながっている。

その結果、通読しなかったおかけで得られた時間と、本の内容を覚えているという効果がでてきた。わたしは以前から読書ノートをつけていたがスプレッドシートに記入することに移行したことで、効率も良くなった。

ちなみに、読み飛ばした部分がもったいないという気持ちがあるのだが、それはわたしではない誰か(未来のわたしを含めて)が読んでくれていると思うようにした。そのおかげもあって、「元が取れないな」どと考えなくなり、本を消化するスピードがあがり積ん読も解消しだした。

ただし、小説はどっぷりとその世界につかりたいので、じっくり通読している。そこらへんはジャンルに応じて自分の好きなように読めばいいと思う。

英語の独学

この本の英語独学について書かれている箇所があり、その独学方法をほぼ丸パクリで行って私の毎日のルーティーンに組み込まれて現在も継続中。

その方法は、Wikipediaのメインページにある『From today's featured article』のテキストを読んでさらにコピーし、ドキュメントに貼り付け、わからない単語は黄色でハイライトをし、その単語を『Ankidroid』というアプリで単語を登録し練習するというともの。さらに、英単語の発音がわからないときは、スマホのテキスト読み上げ機能を使って発音を聞くようにしてる。音声が機械音ぽいのはしょうがないので、わりきればよい練習になる。

これを毎日行うことで以前よりは英文に触れているようになった上に、覚えた単語数も増えたと思う。今までの英語の勉強といったらNetflixを字幕オフにして英語のみで視聴したり、英語のポッドキャストを聞く程度だったため、この方法の実践でかなり改善できた。

子供と一緒に楽しんで独学を助けてもらう

この本では国語の独学方法のなかで『子どものための論理トレーニング・プリント』という本を紹介している。わたしは子供にこの本を買って放置していたので、今ではその放置を解放し子供と一緒にこの本を解き始めた。小学3年生の長女は楽しんでやれているので、その年齢あたりのお子さまがいると、子供に教えるつもりで自分も学べると一石二鳥。

さらに、英語では『Children's Illustrated Dictionary』や『My First Dictionary』などの子供向けの事典を紹介しております。これも子供向けにという名目で購入して、子供と一緒に英単語を覚えてる。子供と一緒に学ぶという機会があるとモチベーションも向上する。さらに、教えるということは自分の記憶の定着の助けにもなるので、結果として、親子で二度おいしいわけである。

この本をオススメしたい人

ざっと、この本から得られたことを使って実践していることを書き連ねたわけだけど、この本については他にも参考になることがたくさんあるので、ここではまったくもって書きたりない。

この本をオススメしたい人は、何かを学んでいて行き詰まっていたり、勉強のやり方がわからなかったり、勉強へのやる気が起きなかったりと学ぶことに悩んでいる方である。なぜならこの本にはそれらを解消できる術として、精神面から具体的な勉強方法まで、網羅的に収められているからである。独学については悩んでいる人は是非買って読んで欲しいと思う。

おわりに

どんな些細なことでも知りたいことがあるなら、そのことは少なからず「学ぶ」ということなんだと思う。テストで点数を取るためだけの行為が学ぶことではない。

ただし、何かを「学ぶ」ことはけっこう大変、なぜなら、その「学ぶ」ための「方法」を誰も教えてくれないから。

わたしのように何かを学ぶ前にどのように学んでいけばいいか「方法」がわからず、そこで躓いてしまってモチベーションが下がり、「学ぶ」ことから一歩ひいてしまう人は少なくないはず。

だからこの本を手にとり、分厚いけれどもそばに置いて、必要なときは迷わずこの本で学ぶ方法を探ってから独学することで、きっとあなたの「学ぶ」が前進できるはず。

『独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』(著)読書猿 ダイヤモンド社