一蹴 本とか映画とかドラマとか

本、映画、ドラマをとりとめなく語るブログ

今年読みたいSFのひとつ『最終人類』

『最終人類』は上下巻に分かれた長編SF小説。上巻は人類の主人公が種族の違う異星人の仲間たちと目的をもって宇宙に飛び出し、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』さながらの雰囲気。下巻では急転直下の展開で、壮大で哲学的なテーマになる。『三体…

12分間の短編映画を観たあと、頭と心に何かを残す『愛してるって言っておくね』

新学期がはじまり、我が子が新小学一年生として新しい生活がはじまった。親として気がかりなのは、登校時に事故に遭わないか?とか不審者に声をかけられても逃げてくることができるだろうか?など。小学四年生の長女に連れだっていてもやや不安。この時期の…

アカデミー賞発表前にノミネート作品がおうちで観れる時代になった『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』

2021年のアカデミー賞は4月25日(現地時間)。各賞にノミネートされている作品は日本での劇場公開を待つものもあれば、配信ですでに観られるものもある。できれば映画は劇場で観たいものだが、配信で視聴することは現地とのタイムラグが少なく、作品を楽しん…

意外な結末で登場人物に感情移入しすぎるのは注意なNetflixドラマ『瞳の奥に』

ドラマの評価はIMDb 7.2、Rotten Tomatoes 63%とまずまずの評価のドラマ『瞳の奥に』。ブログタイトルでネタバレ感をだしてしまったが、ネタバレせずにこのNetflixドラマの感想を述べます。 あらすじ 主人公ルイーズは精神科クリニックで秘書をしてシングル…

SFが好きなら読んで欲しい『裏世界ピクニック』

何やら今期のアニメでやっているということで、原作小説を既刊の5巻までイッキに読んでみました。 主人公は紙越空魚(かみこしそらを)が、相棒の仁科鳥子(にしなとりこ)と裏世界と呼ばれる、奇妙な世界に行って、奇妙な生物を倒して、不思議なお宝を手に…

つらくなったら全力で逃げる『地下鉄道』

小説を楽しむ方法はいくつかある。物語の構成や描写を楽しんだり、主人公の視点から、物語の中で同じ体験を味わうのもそのひとつ。『地下鉄道』はアメリカの大規模農園の奴隷として使役されていた黒人の視点からその当時の世界を味わえる物語である。 主人公…

自由意思を扱ったSFを読んだらデネットの『自由の余地』を読むと良いよという話

テッド・チャンの作品に『予期される未来』という短編SFがある(同著『息吹』に収録)。この物語は予言機という機械があって、ボタンを押すとLEDのライトが光る。正確に言うと、押す一秒前にライトが光る。つまり、どんなに早くボタンを押そうとしても、ライ…